「どうもー、ども、ミルクボーイです~おねがいします~ありがとうございます」
「あ~~、ありがとうございます。今、ベルマークを頂きましたけどもね」
「ありがとうございます。こんなん、なんぼあってもいいからね」
「うちのおかんがね、好きな朝ごはんがあるらしいんやけど」
「ああ、そうなんや~」
「その名前をちょっと忘れたらしくてね」
「朝ごはんの名前忘れてもうて、どうなってんねん、それ」
「色々聞くんやけどな、全然わからへんねん」
「ほな、俺がね、おかんの好きな朝ごはん、一緒に考えてあげるから」
「どんな特徴、言うてみたか、教えてみてよ」
「甘くて、カリカリしてて、牛乳とか掛けて食べるやつやって言うてんねんな」
「コーンフレークやないかい」
「その特徴は、もう、完全にコーンフレークやがな」
「すぐわかったやん」
「ちょっと、わからへんのよな」
「何がわからへんのよ」
「俺も、コーンフレークと思ったんやけどな」
「おかんがゆーには、死ぬ前の最後のごはんもそれでいいってゆーねんな」
「ほー・・・ほな、コーンフレークと違うかー」
「人生の最後がコーンフレークでいいことないもんね」
「コーンフレイクはねー、寿命に余裕があるから、食べてられるんよね」
「コーンフレーク側もね、最後のごはんに任命されたら荷が重いよ」
「そやねん、そやねん」
「コーンフレークってそういうもんやから」
「コーンフレークとちゃうがなー」
「ほな、もうちょっと、詳しく教えてくれる?」
「何で、あんなに栄養バランスの五角形でかいんか、わからんらしいねん」
「コーンフレークやないかい!」
「パッケージに書いてる、五角形むちゃくちゃでかいんやから」
「でも、あれはね、自分が得意な項目だけで、勝負してるからやと、睨んでるのよ」
「俺の目は騙されへんよ、俺騙したら、たいしたもんや」
「あれね、ようみたらね、牛乳の栄養素を含んだうえでの五角形になっとんねん」
「俺は何でもお見通しやねんから」
「コーンフレークやそんなもん!」
「わからへんねん、でも」
「何がわからへんのん」
「俺もコーンフレークと思ってんけどな」
「おかんがゆーには、晩御飯に出てきても、全然いいってゆうねんな」
「ほな、コーンフレークとちゃうやないかい!」
「晩メシで、コーンフレーク出てきたら、ちゃぶ台、ひっくり返すもんね」
「コーンフレークはね、まだ、朝の寝ぼけてる時やから、食べてられるのよ」
「食べてるうちに、だんだん目が覚めてくるから、最後、ちょっとだけ残してまうねん
「そういうからくりやからね」
「ほな、コーンフレークちゃうがな!」
「ほな、もうちょっと、何か言ってなかった?」
「子供の頃、なぜか、みんな憧れた」
「コーンフレークやないか!」
「コーンフレイクとミロとフルーチェは憧れたんよ」
「あと、トランシーバーも憧れましたよ、コーンフレークよ、そんなもん」
「わからへんのよ」
「何で、わからへんのよ!」
「俺も、コーンフレークと思ったんやけどな、おかんがゆーには、お坊さんが修行の時に食べてる」
「ほな、コーンフレークちゃうやないかい!」
「精進料理にカタカナのメニューなんて、出ーへんのよ」
「コーンフレークはね、朝から楽して腹を満たいたいという、煩悩の塊やねん」
「あれ、みんな、煩悩に牛乳かけとんねん」
「コーンフレークちゃうがな、はな、もうちょっと、何か言ってなかったか?」
「パフェとかのかさましに使われてるらしいねん」
「コーンフレークやないかい!」
「あれ、法律すれすれぐらい、入っとんやがな」
「店側が、もう一段増やそうもんなら、俺は動くよ」
「コーンフレークや絶対!」
「わからへんねん、でも」
「何で、わからへんのよ」
「俺もコーンフレークやと思ってけんどな、おかんが言うには、ジャンルで言うたら、中華やって言うねん」
「ほな、コーンフレークちゃうやないかい!」
「ジャンル全くわからへんけど、中華だけではない!」
「あの、回るテーブルの上ににコーンフレーク置いたら、回した時、全部、飛び散るやん」
「そやねん、そやねん」
「ほな、コーンフレークちゃうやないかい!」
「ほな、もうちょっと、何か言ってなかった?」
「食べてる時に誰に感謝していいかわからんらしいねん」
「コーンフレークやないか」
「コーンフレークは生産者さんの顔が浮かべへんのよ
「な、浮かんでくるのは腕組んでるトラの顔だけやねん」
「赤いスカーフのトラの顔だけ」
「コーンフレークに決まり、それ」
「わからへんねん」
「わからへんことない、おかんの好きな朝ごはんはコーンフレーク」
「でも、おかんが言うにはコーンフレークではないってゆうねん
「ほな、コーンフレークちゃうがな」
「おかんがコーンフレークではないというたら、コーンフレークちゃうがな」
「そやねん」
「先、言えよ」
「俺がトラの真似してる時、どうおもててん!」
「申し訳ないな」
「ほんまに、わからへんがな、どうなってんねん」
「オトンが言うには、サバの塩焼きちゃうか?」
「絶対ちゃうやろ、もうええわー、ありがとうございました」
今日も最後まで読んで頂きありがとうございました。